10月3日の日記
2012年10月3日帰りの電車のなかで、目を閉じて音楽に聞き入っていると、およそ音楽と関係のない妄想にとらわれて泣く。
私の妄想はだいたい私の息の根を止めるようなことをおもい付くのであった、妄想のなかで私は息の止まるような侮辱を受けその場を逃げ出し、うろうろと街を彷徨っていて、どこにも行くところがないのであった。それに私はひりひりと泣いてしまう、なんという無為。
どうにか泣き終えて電車を降りて、トイレの鏡で化粧が落ちていないか確かめると、おそろしいほどこどものような顔が、醜かった。このところよくこういう醜い顔をしているような気がする。
バランスのわるい顔。どろどろをどう扱ったらよいかわかりかねている顔。
私は私の小ささが悲しかった、と、これは、安吾だったっけ。
ライフ・イン・カートゥーン・モーション
2012年9月30日 音楽
MIKAが好きというとなんかバカにされる傾向があるけれど、それは不当だと思うの! というかバカにされてもいいわ、ふん。MIKAが好きです。
MIKA - Happy Ending
http://www.youtube.com/watch?v=vzoYgasvKdo&feature=relmfu
りるびっら、りるびっら。
MIKA - Happy Ending
http://www.youtube.com/watch?v=vzoYgasvKdo&feature=relmfu
りるびっら、りるびっら。
追われゆく坑夫たち (岩波新書 青版 391)
2012年9月27日 読書
反原発や反原発を唱えることを考えるのに、炭鉱や三池争議のことを知るのはいいヒントになるような気がしている。原発やそれをめぐる状況というのは、まったく「それ」だけのことではないような。
それにしてもこういう本を読んでいると、鉱山労働者に給料を支払う時に、食券や商品券のようなもの(指定された店でしか使えないお金、しかも鉱山会社の運営している店!)を現金の代わりにしていたりする。その指定された店というのが普通の店より高くってぜんぜん良心的経営じゃない、みたいな、ぞっとするような話が載っている。やっぱり生活保護は現金であるべきだわよ。私だって現金が欲しい。
それにしてもこういう本を読んでいると、鉱山労働者に給料を支払う時に、食券や商品券のようなもの(指定された店でしか使えないお金、しかも鉱山会社の運営している店!)を現金の代わりにしていたりする。その指定された店というのが普通の店より高くってぜんぜん良心的経営じゃない、みたいな、ぞっとするような話が載っている。やっぱり生活保護は現金であるべきだわよ。私だって現金が欲しい。
素は、いらない…
2012年9月27日*
母から宅急便がとどく。色ぐあいが元気なゴーヤをカレーにしてみる。挽き肉でやってみたけれど、挽き肉のカレーって苦手かも知らない。肉のごちそう感がないような。貧乏くさい私。でもカレー屋のキーマカレーは別なのだけど。
インスタントコーヒーの詰め替えはありがたいのだけれど、永谷園のチャーハンの素が入っていて、ちょっと困る。8年くらい前にはもう、チャーハンの素から卒業したのである。母には言ってないけれど。チャーハンの素はもう要らないから、とは言いづらいのだけれど。
*
行きたいところがあるのにお腹が痛いしだるいので断念。なおかつ頭がカッカしていて、「ナチスのキッチン」をためらわず買ってしまった。
カッカしていて、悲しい。
ずっと購入を先送りしているボンイヴェールを手に入れようかな。
*
Vampire weekend - Giving up the Gun
http://www.youtube.com/watch?v=bccKotFwzoY
きょうはこの歌が超いい歌だと感じた。
そのこととは関係ないけどエズラくんと結婚したい。
母から宅急便がとどく。色ぐあいが元気なゴーヤをカレーにしてみる。挽き肉でやってみたけれど、挽き肉のカレーって苦手かも知らない。肉のごちそう感がないような。貧乏くさい私。でもカレー屋のキーマカレーは別なのだけど。
インスタントコーヒーの詰め替えはありがたいのだけれど、永谷園のチャーハンの素が入っていて、ちょっと困る。8年くらい前にはもう、チャーハンの素から卒業したのである。母には言ってないけれど。チャーハンの素はもう要らないから、とは言いづらいのだけれど。
*
行きたいところがあるのにお腹が痛いしだるいので断念。なおかつ頭がカッカしていて、「ナチスのキッチン」をためらわず買ってしまった。
カッカしていて、悲しい。
ずっと購入を先送りしているボンイヴェールを手に入れようかな。
*
Vampire weekend - Giving up the Gun
http://www.youtube.com/watch?v=bccKotFwzoY
きょうはこの歌が超いい歌だと感じた。
そのこととは関係ないけどエズラくんと結婚したい。
あ、これを薦めればよかったのかも。ザ・小説!という感じがする。ぞくぞくする。
ドイツ語圏はだいたい薦めにくい。イタリア語圏は薦めやすい。
ていうか、どういうのがいいんですか? ってそもそも訊くべきであった。素直に。
ドイツ語圏はだいたい薦めにくい。イタリア語圏は薦めやすい。
ていうか、どういうのがいいんですか? ってそもそも訊くべきであった。素直に。
*
超面白そうなので、読んでみたいが、高いわ…自分への誕生日プレゼントになりそうだぜ。せめて著者の別の本を読んでみよう。
*
友人から、おすすめの本を教えてくれ、と言われ、何のヒントもないのに戸惑いつつリストをお返しした。
昔に比べて、無邪気には自分の好きな本を薦められなくなった。この作家はこのひとにはわかりづらいかな、と思ったりしたのもあるけれど、なんだか自分の読む作家が、容易に他人に薦められない作家が多いような気がしている。
根本に私の理解不足のゆえの説明しづらさがあるのかも知れないけれど、ヘンリー・ジェイムズ、ヴァルザーなんて、誰に薦められるというのっ。阿部謹也を薦めときました。長田弘、梨木香歩、湯本香樹実とか、しばらく読んでいない作家も入れてしまった。あとはやけくそでクライスト。そしてなぜか、「愛の妖精」を。
超面白そうなので、読んでみたいが、高いわ…自分への誕生日プレゼントになりそうだぜ。せめて著者の別の本を読んでみよう。
*
友人から、おすすめの本を教えてくれ、と言われ、何のヒントもないのに戸惑いつつリストをお返しした。
昔に比べて、無邪気には自分の好きな本を薦められなくなった。この作家はこのひとにはわかりづらいかな、と思ったりしたのもあるけれど、なんだか自分の読む作家が、容易に他人に薦められない作家が多いような気がしている。
根本に私の理解不足のゆえの説明しづらさがあるのかも知れないけれど、ヘンリー・ジェイムズ、ヴァルザーなんて、誰に薦められるというのっ。阿部謹也を薦めときました。長田弘、梨木香歩、湯本香樹実とか、しばらく読んでいない作家も入れてしまった。あとはやけくそでクライスト。そしてなぜか、「愛の妖精」を。
なかなか寝付けないのが眠りに落ちたところで、おっとろしい夢をみる。ああああ!と叫んで目が覚める。あまりにすごい夢で、これは、書かれるべき話である! 私に啓示が降りてきた! メモしなきゃ! とおもいつつ、メモ帳に手を伸ばす労が体には無理だったよう。そのまま眠りにすんなり落ちきることもできず、夢の余韻のために、3回くらい目覚めなおす。その合間に、メモとらなきゃというおもい。けっきょくは眠気が競り勝ち、朝の本番の目覚めを迎えると、傑作の細部については何もかも忘れていた。誰が出てきたのかさえ覚えていない。
ギリシア悲劇みたいだった、と日中考えていたけれど、今考えると、クライストかもしらない。
たまにある悪夢のような、後味の悪さはなく、ただ夢の中で覚醒してしまったようなぼんやり感に日中とらわれた。…いや、ふつうに眠かっただけなんだけど。
それにしても今外は、すごい雷だじゃい。
ギリシア悲劇みたいだった、と日中考えていたけれど、今考えると、クライストかもしらない。
たまにある悪夢のような、後味の悪さはなく、ただ夢の中で覚醒してしまったようなぼんやり感に日中とらわれた。…いや、ふつうに眠かっただけなんだけど。
それにしても今外は、すごい雷だじゃい。
シナの五にんきょうだい
2012年9月17日 読書9.14 官邸前で散歩
2012年9月17日霞ヶ関駅より、適当に歩いて合流。
ひとところに落ち着かず、あえてふらふらしてみる。列を細く長くされているので、6月のような盛り上がりには欠ける。お祭りの感触はあるけれど、出店や、文化祭の催しものをみて回るようなのに似ている。スピーチエリアは間延びした感じ。とたんにコールが始まるけれど、意味のありすぎる文言って力強いコールとは程遠くなる。「ナガサキ忘れるな」「ヒロシマ忘れるな」の次は「チェルノブイリに学べ」。ただでさえ字余り気味なのに、チェルノブイリを取り込むのは余り過ぎだろう。先導者の横にいてコールしていた小学生が、「……いりにまなべ」とかなり戸惑っていた。「エナジー転換」「エナジーチェンジ」というコールに、見知らぬおばさんが「エナジーチェンジって、なに?」と戸惑っていた。コールって難しい。
いたるところで白い風船を持っている人がいて、たまに配って回っているひとをみかける。白い風船を荷台につけて自転車で周回しているひとたちもみかける。
白い風船ってみる分にはよいけれど、持ち余りするから受け取らないようにしよう、とおもっていたけど、つい受け取ってしまう。だってイケメンが配りよったんやもん。
重りの板からはずして持ち歩いていたら、ぱあっと飛んでいって木に引っかかってしまった。ごめんなさい、色々と。
ペットボトルの水と紙コップを持って歩いている人がいた。水を無償で配って回っているよう。ナイスな優しさですね。
7時半過ぎに切り上げて、何駅でもいいから地下鉄で帰ろうとしたら道に迷ってしまう。警官が警備しているそばに地図があったのでじっとみていたら、警官に「どうされましたか。どこに行きたいんですか」と尋ねられる。近い駅に行きたいのですけど、何線でもいいんですけど、できれば丸の内線の駅に、と言うと、警官同士で「こっからだと議事堂前だよね」「そうだな、議事堂前がいちばん近い」と話し合ってから、「どうぞここから通っていってください、道なりに行って右に曲がると駅です」と、ふつうなら通行をとめられている歩道を通るように言われる。「ちょっとうるさいですけどね」と苦笑付きの但し書き。すいませんうるさくしてる人の仲間です…と思いながら、通らせてもらう。風船を持ったまま歩いていたら、通れなかったかもしれない。
ほんまもんの官邸前は、ほかのところよりタイトな緊張感。御輿がある感じ。ちょっと帰りを急ぎたかったので、ささっと帰ったけれど。
*
原発に詳しく、反原発ではない友人が、「デモや抗議行動に子どもを連れてくる人って、嫌」と言っていた。まだ考えのまとまらない子どもを、政治的な行動に参加させるというのに抵抗あるらしい。なんとなくルソーを思い出した、というか、ルソーは何て言うのかなーと思った。
ひとところに落ち着かず、あえてふらふらしてみる。列を細く長くされているので、6月のような盛り上がりには欠ける。お祭りの感触はあるけれど、出店や、文化祭の催しものをみて回るようなのに似ている。スピーチエリアは間延びした感じ。とたんにコールが始まるけれど、意味のありすぎる文言って力強いコールとは程遠くなる。「ナガサキ忘れるな」「ヒロシマ忘れるな」の次は「チェルノブイリに学べ」。ただでさえ字余り気味なのに、チェルノブイリを取り込むのは余り過ぎだろう。先導者の横にいてコールしていた小学生が、「……いりにまなべ」とかなり戸惑っていた。「エナジー転換」「エナジーチェンジ」というコールに、見知らぬおばさんが「エナジーチェンジって、なに?」と戸惑っていた。コールって難しい。
いたるところで白い風船を持っている人がいて、たまに配って回っているひとをみかける。白い風船を荷台につけて自転車で周回しているひとたちもみかける。
白い風船ってみる分にはよいけれど、持ち余りするから受け取らないようにしよう、とおもっていたけど、つい受け取ってしまう。だってイケメンが配りよったんやもん。
重りの板からはずして持ち歩いていたら、ぱあっと飛んでいって木に引っかかってしまった。ごめんなさい、色々と。
ペットボトルの水と紙コップを持って歩いている人がいた。水を無償で配って回っているよう。ナイスな優しさですね。
7時半過ぎに切り上げて、何駅でもいいから地下鉄で帰ろうとしたら道に迷ってしまう。警官が警備しているそばに地図があったのでじっとみていたら、警官に「どうされましたか。どこに行きたいんですか」と尋ねられる。近い駅に行きたいのですけど、何線でもいいんですけど、できれば丸の内線の駅に、と言うと、警官同士で「こっからだと議事堂前だよね」「そうだな、議事堂前がいちばん近い」と話し合ってから、「どうぞここから通っていってください、道なりに行って右に曲がると駅です」と、ふつうなら通行をとめられている歩道を通るように言われる。「ちょっとうるさいですけどね」と苦笑付きの但し書き。すいませんうるさくしてる人の仲間です…と思いながら、通らせてもらう。風船を持ったまま歩いていたら、通れなかったかもしれない。
ほんまもんの官邸前は、ほかのところよりタイトな緊張感。御輿がある感じ。ちょっと帰りを急ぎたかったので、ささっと帰ったけれど。
*
原発に詳しく、反原発ではない友人が、「デモや抗議行動に子どもを連れてくる人って、嫌」と言っていた。まだ考えのまとまらない子どもを、政治的な行動に参加させるというのに抵抗あるらしい。なんとなくルソーを思い出した、というか、ルソーは何て言うのかなーと思った。
御苑に行こうと思ったけれど天候がすぐれないのでやめて、日本民藝館に「琉球の紅型」展を観にいく。あざやかな文様に、すごく目が、心が躍った。華やかだけれど、大人っぽいというより、子どものような若々しい華やかさ。無邪気な遊びのような、自由さを感じた。私の中の幼子が、きゃーきゃー叫びだしたくなってるのをひしひし感じた。
帰りに本屋に寄って、なんとなくパウル・クレーの画集を手にとったら、また私の中の幼子がきゃーきゃー叫びたくなってるのをひしひし感じた。紅型とクレーはなにか、自由な感じが似ているのかな。私も、遊びたい、自由に。
文様や型が、すごくよいのだけれど、ちゃんと布をみれたのがよかったと思う。
ほんで、クレーは天上のテキスタイルやわー。
帰りに本屋に寄って、なんとなくパウル・クレーの画集を手にとったら、また私の中の幼子がきゃーきゃー叫びたくなってるのをひしひし感じた。紅型とクレーはなにか、自由な感じが似ているのかな。私も、遊びたい、自由に。
文様や型が、すごくよいのだけれど、ちゃんと布をみれたのがよかったと思う。
ほんで、クレーは天上のテキスタイルやわー。
9月12日の日記
2012年9月12日職場のOB会?のようなものに行く。疲れていて元気がなかったのが大きいけれど、ぜんぜん楽しくなくて、行かなければよかったなあと思った。これからは誘われてもホイホイ行かないよう、考えないと…と思ってしまった。
丹沢2日目と反省
2012年9月3日・2日目、蛭が岳経由はやめて大倉をめざして下山。
雨さえ降らなければ、と岸守夫妻は悔しがっていた。私はなにぶん初めてで、景色を楽しむよりは歩くほうが、そして体をつかったあとの軽食やご飯が、山登りにおいては最重要なので、とくに問題ない、なんて言えるのはどうなのかしらん。
貝垣くんは、とにかくおしゃべりを楽しみたいというので、みんな疲れて黙りがちになる日帰りの下りが嫌なのだと言う。今回の下りは山小屋で一泊した後だったので、みんなでいっぱいしゃべった、貝垣くんはさぞ満足でしょうな。
・岸守夫妻。こんなに安定した夫婦はなかなかいないのではないか、なんて思ったけど、そもそもカップルとお付き合いすることが、あんまりない私。
奥様はクサリ場とかスリルのある山登りが好き、旦那様はスリルなんかぜんぜん要らない、ふつうに歩きたい、というタイプで、興味深い。
・ビスコの全粒粉タイプと、成城石井のドライマンゴーは、遠足のお菓子として間違いない。次回はマーケットオーのブラウニーを持っていくつもり。
・次回はザックカバーを、ぜったい買わないと!
・今回雨だったので、星がみれなかったのは非常に残念、それだけは心残り。日の出より夜景より、だんぜん星をみたかった。
・体力がなく登るのに精一杯で、写真をぜんぜん撮らなかった。まあそんな登山もあるさあ、あるさあ。
雨さえ降らなければ、と岸守夫妻は悔しがっていた。私はなにぶん初めてで、景色を楽しむよりは歩くほうが、そして体をつかったあとの軽食やご飯が、山登りにおいては最重要なので、とくに問題ない、なんて言えるのはどうなのかしらん。
貝垣くんは、とにかくおしゃべりを楽しみたいというので、みんな疲れて黙りがちになる日帰りの下りが嫌なのだと言う。今回の下りは山小屋で一泊した後だったので、みんなでいっぱいしゃべった、貝垣くんはさぞ満足でしょうな。
・岸守夫妻。こんなに安定した夫婦はなかなかいないのではないか、なんて思ったけど、そもそもカップルとお付き合いすることが、あんまりない私。
奥様はクサリ場とかスリルのある山登りが好き、旦那様はスリルなんかぜんぜん要らない、ふつうに歩きたい、というタイプで、興味深い。
・ビスコの全粒粉タイプと、成城石井のドライマンゴーは、遠足のお菓子として間違いない。次回はマーケットオーのブラウニーを持っていくつもり。
・次回はザックカバーを、ぜったい買わないと!
・今回雨だったので、星がみれなかったのは非常に残念、それだけは心残り。日の出より夜景より、だんぜん星をみたかった。
・体力がなく登るのに精一杯で、写真をぜんぜん撮らなかった。まあそんな登山もあるさあ、あるさあ。
丹沢1日め
2012年9月2日ふたたびの丹沢へ。貝垣くんと、貝垣くんのお友達の岸守夫妻と。
寝不足と血の足りない体、足が十センチくらいしかあがらない。去年10月よりは足取りが重い。年老いたのかも知らない。
暑くて暑くて、綿のTシャツにロールシャッハの、おねしょのような地図。化繊のTシャツがほしいな、とおもった。ボトムは登山用のを新調したので、快適。ついでにレインウェアも買っておいた。ピンクっぽいパープルは、職場の山マダムは鼻白んで、山先生は悲しげな顔をするかも知れない色。
行きの半分を行ったあたりで雨が降り出す。ちょうど予定コースではいちばんの難所のクサリ場の直前で。さっそくレインウェアが役に立ってしまう。雨に濡れてもクサリは楽しい。スリルというより、集中力を試されるのが、よい。
雨のなかの山行きははじめてなので、悪天候に見舞われた不幸を嘆くより、はじめて!というテンションがかろうじて勝る。きついなと思い始めたところで雨がやみ、塔の岳頂上に着く。頂上に着いて雨に降られない幸運に感謝したり、ガスの切れ間からのぞく峰峰を堪能したりするより、昼食を食べることにいそがしい。コンビニのおにぎりがおいしい、ふだんは飲まないペットボトルの水がおいしい、甘いものが罪悪感なくうれしい、もしかしたらこれが私の、山行きの最大の理由なのではなかろうか。ふだんの生活では、食べることがすごく面倒になったり、いろんな罪業があったり、するような気がするのねーん。
再び歩き始めると、雨が降りだす。1時間ほどの道行きで、ちょっとくじけ始めたところで山荘に着く。簡素だけれど清潔で、なんとなく学生の合宿をおもいだすようなつくり。しっかりした建物のなかにいるなら、雨もまたよい景色。ご飯もおいしかった。あとはひたすらだらだらしゃべって、早々と寝る。9時前に布団に入る。他人によって落とされる明かりが、寝なさい、という暗闇が、おとなになると新鮮だわ。
と言いつつ、降り続く雨の音のため、夜中二度くらい目が覚めた。音がむき出しに聴こえる感じがして。
寝不足と血の足りない体、足が十センチくらいしかあがらない。去年10月よりは足取りが重い。年老いたのかも知らない。
暑くて暑くて、綿のTシャツにロールシャッハの、おねしょのような地図。化繊のTシャツがほしいな、とおもった。ボトムは登山用のを新調したので、快適。ついでにレインウェアも買っておいた。ピンクっぽいパープルは、職場の山マダムは鼻白んで、山先生は悲しげな顔をするかも知れない色。
行きの半分を行ったあたりで雨が降り出す。ちょうど予定コースではいちばんの難所のクサリ場の直前で。さっそくレインウェアが役に立ってしまう。雨に濡れてもクサリは楽しい。スリルというより、集中力を試されるのが、よい。
雨のなかの山行きははじめてなので、悪天候に見舞われた不幸を嘆くより、はじめて!というテンションがかろうじて勝る。きついなと思い始めたところで雨がやみ、塔の岳頂上に着く。頂上に着いて雨に降られない幸運に感謝したり、ガスの切れ間からのぞく峰峰を堪能したりするより、昼食を食べることにいそがしい。コンビニのおにぎりがおいしい、ふだんは飲まないペットボトルの水がおいしい、甘いものが罪悪感なくうれしい、もしかしたらこれが私の、山行きの最大の理由なのではなかろうか。ふだんの生活では、食べることがすごく面倒になったり、いろんな罪業があったり、するような気がするのねーん。
再び歩き始めると、雨が降りだす。1時間ほどの道行きで、ちょっとくじけ始めたところで山荘に着く。簡素だけれど清潔で、なんとなく学生の合宿をおもいだすようなつくり。しっかりした建物のなかにいるなら、雨もまたよい景色。ご飯もおいしかった。あとはひたすらだらだらしゃべって、早々と寝る。9時前に布団に入る。他人によって落とされる明かりが、寝なさい、という暗闇が、おとなになると新鮮だわ。
と言いつつ、降り続く雨の音のため、夜中二度くらい目が覚めた。音がむき出しに聴こえる感じがして。
8.26 でも・デモ・DEMO
2012年8月27日渋谷を練り歩く。
初めて参加するK君と公園で落ち合って、他の友人知人を探していると、見知らぬおじさんから、「あ、すいません、横断幕を持って歩いていただけませんか」と言われる。はい、喜んで! と言う積極性はないが、お断りする理由がないことにも困り、しぜんに生返事してしまう。おじさんは「じゃ、終わったら本部に返してね、よろしく」と言って列にまぎれてしまった。合流した友人・知人に、どうしたのそれ、と訊かれ、任されたのです!とはとても言えず、「押し付けられちゃった…」と本音を言ってしまう。
K君と2人がかりで幕を持って、行進。坂を上りきったあたりでK君が、「ごめん僕、お腹いたくってさ! ほんとにごめん」と言って列から離れてしまう。もうひとり、よく知っている友人のミヤケくんは列のずいぶん前のほうに行ってしまっていて、仕方がないので、抗議行動で知り合って間もない白山さんに頼んで、片方を持ってもらう。白山さんが水分補給する間は、白山さんの恋人が持ってくれた。ふたたび白山さんの手に幕がもどり、しばらく歩きながら、白山さんに申し訳ないような気がしていたら、白山さんが「もう、いいかな! いいよね!」と幕をたたみ始める。初対面の人にプレッシャーを与えない、穏やかな白山さんの潔さに驚きつつ、私も、「そうですよね!」と言いながらたたむのを手伝う。もっと、汎用性のある形なら、よかったのに!
たたんでまったく用を成さない幕を持て余しつつ歩いていたら、Kくんから電話がかかってきて、落ち合う。Kくんは志ろ田ちゃんを連れてきた。トイレのついでに合流したらしい。ときどき志ろ田ちゃんと世間話をしたり、コールに唱和したり。白山さんの声がよく通るのに驚く。Kくんとペットボトルを打ち鳴らしたり、ペットボトルにふさわしい、軽い音。
楽器がほしいわ。いやそもそも、自前のプラカードを持っていたら、幕を押し付けられたりもしなかったのではないか!
静音区域からは、志ろ田ちゃんとK君と三人でかわりばんこに幕をひろげて歩き、ゴールまでたどり着く。使命をはたした気がした。
志ろ田ちゃんは意見が定まらないので、反対!とコールできなかったと言っていて、私もそうだったなあと思った。
8月24日の日記
2012年8月24日*
友人と、チェーン店のカレーを食べながらお話。彼女の自我の目覚めの速さにくらべて、自分の子供時代の何もなさよ。
彼女は二人姉妹の妹なのだそうで、そういうひとは姉を観察できるからそうなっちゃうのかな、と思う。
友人の子供が教科書を音読する宿題に付き合わされたとき、その子供が、句読点のある意味がわからず、息が切れる限界で休止をおくのに衝撃を受けた、という話を彼女から聴く。句読点のあるところが意味の切れ目だとか、文の終わりだとか、息継ぎの目安だとか、そういうことをわかっていないらしい。学習障害がある、という話ではなくて、親の音読のさせ方に問題があるらしい。すごくこわい話だとおもった。
*
また別の友人と、ネパールのカレー。ナンをひさびさに食べた。
麦藁帽をいただいた。これでデモにいざゆかむ。
友人と、チェーン店のカレーを食べながらお話。彼女の自我の目覚めの速さにくらべて、自分の子供時代の何もなさよ。
彼女は二人姉妹の妹なのだそうで、そういうひとは姉を観察できるからそうなっちゃうのかな、と思う。
友人の子供が教科書を音読する宿題に付き合わされたとき、その子供が、句読点のある意味がわからず、息が切れる限界で休止をおくのに衝撃を受けた、という話を彼女から聴く。句読点のあるところが意味の切れ目だとか、文の終わりだとか、息継ぎの目安だとか、そういうことをわかっていないらしい。学習障害がある、という話ではなくて、親の音読のさせ方に問題があるらしい。すごくこわい話だとおもった。
*
また別の友人と、ネパールのカレー。ナンをひさびさに食べた。
麦藁帽をいただいた。これでデモにいざゆかむ。
きょうはなんだかむしゃくしゃしたけれど、手帳に藤井貞和の詩を書き写したら、なんだか緩和されたよう。
詩を読まなきゃなー、とお尻をかきながらおもうことがよくあるけれど、読む気が起こるのは藤井貞和だけだ、よいのだろうか。
それにしても、姓名が私の父とかなりニアミスなのは、だいぶ嫌。
詩を読まなきゃなー、とお尻をかきながらおもうことがよくあるけれど、読む気が起こるのは藤井貞和だけだ、よいのだろうか。
それにしても、姓名が私の父とかなりニアミスなのは、だいぶ嫌。
甲斐ないこと
2012年8月23日朝食みたいな献立を、夕食時にやるのが好き、というか、あんまり手間がかからなくてよいのが好ましい。卵でチーズオムレツを、とおもったら、卵を一個割りいれたお椀に牛乳を勢いよく注いでしまい、しかたがないので卵をもう一個足す。フライパンに流し込んでからのかき混ぜ方に神経が行き届かず、スクランブルになりかけるのをむりやりかき集めて、やぶれかぶれのオムレツ。
市販のドレッシングが好きでないので、オリーブオイルと酢とレモン汁と塩を箸でぐるぐるかき混ぜて乳化させたようなのを、ドレッシングと称してパリッとしたレタスにかけてみるけど、おいしいのだかよくわからない。
というか生のレタスはそんなに好きじゃない。フライパンで目玉焼きをつくるときに脇で火を通した、レタス甲斐のないレタスが、いちばん。あとはお味噌汁にいれたり、中華のやりかたで炒めたようなやつがいい。とにかく、レタス甲斐がないこと。
きょうはゆでたしめじにオリーブオイルとレモン汁と塩をかけて合えたのを生のレタスにかけてみたけれど、よくわからない味になってしまった。しめじをゆでるときにバジルとかエルブドプロヴァンスを入れてみたのが、わからなくなった原因かもしれない。あと、肉っ気、といって率直過ぎるなら、たんぱく質の遠いのが、味のよくわからない所以かもしれない。
何もかも、よくわからない。やぶれかぶれ。小ぶりのトマトがおもわず安かったのだけがうれしい。何もかけずに食べる。トマトはいつも自分の中では滋養という字とワンセットなのだけれど、何もかけずに食べるのがトマトにとってトマト甲斐のあることなのか、わからない。
市販のドレッシングが好きでないので、オリーブオイルと酢とレモン汁と塩を箸でぐるぐるかき混ぜて乳化させたようなのを、ドレッシングと称してパリッとしたレタスにかけてみるけど、おいしいのだかよくわからない。
というか生のレタスはそんなに好きじゃない。フライパンで目玉焼きをつくるときに脇で火を通した、レタス甲斐のないレタスが、いちばん。あとはお味噌汁にいれたり、中華のやりかたで炒めたようなやつがいい。とにかく、レタス甲斐がないこと。
きょうはゆでたしめじにオリーブオイルとレモン汁と塩をかけて合えたのを生のレタスにかけてみたけれど、よくわからない味になってしまった。しめじをゆでるときにバジルとかエルブドプロヴァンスを入れてみたのが、わからなくなった原因かもしれない。あと、肉っ気、といって率直過ぎるなら、たんぱく質の遠いのが、味のよくわからない所以かもしれない。
何もかも、よくわからない。やぶれかぶれ。小ぶりのトマトがおもわず安かったのだけがうれしい。何もかけずに食べる。トマトはいつも自分の中では滋養という字とワンセットなのだけれど、何もかけずに食べるのがトマトにとってトマト甲斐のあることなのか、わからない。
呪える仕様/酒飲み
2012年8月8日*
美容室に行く。縮毛矯正をしてもらってみる。3時間も美容室にいるなんて、こちらがお金をもらいたいくらいだ! なんとなく前髪をそろえてもらったりしたら、誰かを呪えるような髪型になり、焦る。
美容師さんと世間話もせずにずっとファッション雑誌を読む。自分ではコンビニでさえそういうものを立ち読みしなくなったので、こういうときに手渡されると脇目も振らず読んでしまう。そしてコーディネートのキャプションを読んでいると、はずかしくなってしまうし、概してすごくつまらない。つまらないのは私が年を取ったせいかもしれない。相変わらず、スイートのゴシップページは、ゴシップ好きの私に言わせるとすごく下品だし適当だし、スイートってダメな雑誌ですね。
私の美容室における歴史はそのまま、髪の量とのたたかいをなぞる。
*
暑くてバターが容易にやわらかくなるので、パウンドケーキをつくりやすくていい。あと、別立てのほうが失敗しなくてよいですね。
*
先週末は職場のバーベキュー会。学生の子がバレーボールを持参してきたので久しぶりに犬のようにボールを追いかけたりして、概して楽しかったけれど、酒飲まないとやってられないひとは苦手だわ。(これは時折、サービス業にかかわるものの職業病と呼んでいいのではないかと思うけれど)。終わったあとは友人と二人でコーヒーをのんでお喋りしてこれも楽しかったけれど、友人のプチ右翼ぶりに考えさせられた。人文科学系の勉強をそんなにしていない、本も読まない女の子だから、こうなってしまうのか。むー。
美容室に行く。縮毛矯正をしてもらってみる。3時間も美容室にいるなんて、こちらがお金をもらいたいくらいだ! なんとなく前髪をそろえてもらったりしたら、誰かを呪えるような髪型になり、焦る。
美容師さんと世間話もせずにずっとファッション雑誌を読む。自分ではコンビニでさえそういうものを立ち読みしなくなったので、こういうときに手渡されると脇目も振らず読んでしまう。そしてコーディネートのキャプションを読んでいると、はずかしくなってしまうし、概してすごくつまらない。つまらないのは私が年を取ったせいかもしれない。相変わらず、スイートのゴシップページは、ゴシップ好きの私に言わせるとすごく下品だし適当だし、スイートってダメな雑誌ですね。
私の美容室における歴史はそのまま、髪の量とのたたかいをなぞる。
*
暑くてバターが容易にやわらかくなるので、パウンドケーキをつくりやすくていい。あと、別立てのほうが失敗しなくてよいですね。
*
先週末は職場のバーベキュー会。学生の子がバレーボールを持参してきたので久しぶりに犬のようにボールを追いかけたりして、概して楽しかったけれど、酒飲まないとやってられないひとは苦手だわ。(これは時折、サービス業にかかわるものの職業病と呼んでいいのではないかと思うけれど)。終わったあとは友人と二人でコーヒーをのんでお喋りしてこれも楽しかったけれど、友人のプチ右翼ぶりに考えさせられた。人文科学系の勉強をそんなにしていない、本も読まない女の子だから、こうなってしまうのか。むー。
うそをついた
2012年8月7日化粧品カウンターに行くのはいつも億劫なのだけれど、下地を切らしそうだしこの日照なので行かないわけにもいかず、えいやっと行く。
化粧品カウンターに行くのは億劫だけれど、美容部員の述べる口上は嫌いではない。口上を聞いていると生返事だけでは悪いかなと、会話の運びをしてしまう。最近使っているメイク落しがイマイチでー、と言うと、当ブランドのメイク落しならば、ファウンデーションと同じ油を使っているので効果ばつぐんですよ、と訊かされ、びっくりするほど高いものではないので、ではそれもいっしょに、とお願いしてしまう。
美容部員の述べる口上は嫌いではないが、聞かされるのはたいてい、どこかで聞いたことか、すでに知っていることである。この商品なら今お使いの化粧水の浸透がぐんとよくなります、という宣伝文句から、洗顔料はよく泡立ててお使いください、という注意事項まで、ほとんどデジャヴュなのだけれど、ほお、へえ、と間抜けな合いの手をいれてしまう。
泡立てネットなら持っています、とうそをついてしまった。
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