職場で電話にでたら、苦情を言われた。その苦情は一応ごもっともな内容で、ご不快なおもいをさせてしまいすいませんすいません、と言うしかないものだったけれど、その人の言いようのあまりなやくざぶりに驚いた。クレームの内容上その人の名前や所属を明らかにしなければ話が始まらないものだったのだけれど、そんな〈偉い〉人(けっこうなお歳)がこんなやくざな真似をするなんてこれ私訴えたら勝てるのではないだろうか、そこまでやらないけど、てゆうかビョーキなんだなこの人、と思いつつ、申し訳ございませんでございますと二十回くらい言っているうちにクレーマーは多少落ち着いたらしく、こちらがしかるべき対応をさせていただきますです、ということで終わった。電話を切ると、職場のみなさんがいっせいに憤ったり慰めてくれたりした。私が帰るときにも、対応させてごめんなさいね、と言ってくれたりした。

 その次の日に、電話を受けた日にはいなかった先輩まで私を労ってくれた。先輩は私にすごく同情してくださり、「聞き手が女性だとみなすと途端に強い態度で物申す男性がいるのよね、ほんとうにひどい」と憤ってくれたのだが、そのあとからなんだかじわじわ気分が落ちてきた。というのは、まったくその先輩のせいではない。
 先輩の指摘は私がぼんやり感じていたことと同じで、妙な納得を得られた。私が女だからクレーマーはあのような強い態度に出たらしいと思うと体から力が抜けてゆくような気がした。これは、私みたいなのほほんさんの意識は、毒々しいものをとりあえず遅効性にすることにしているだが、その毒がだんだん効いてきたことにもよる。また帰省で心身が疲れていたせいもある。

 たとえば、このクレーマーが女性であったら、私は〈めちゃ怒りっぽい人〉くらいな感想しかなかったのかも知れず、気分の落ちようも違ったのではないか、と思う。(とはいえそのクレーマーのやくざぶりは、ある意味とても「男性的」であったが)。私が女性で、相手が男性だというだけで、クレーマーが強権的な態度に出たと認識すると、打ちのめされたくらいのダメージを感じることになるんだなあ〜と思った。打ちのめされたとまではいかなくても、嫌悪感や気持ちわるさが倍増する気がする。
 まあそのクレーマーは優しい声の若い男性が電話にでても似たようなことをしたかも知れないし、私が気弱な声で申し訳(以下略)と言っていたせいで気が済んだのかも知れない。

 ともかく職場内にはそういう類いの方はいないし、ガン無視するような方もいないので、よかったっす。

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