チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)
2014年9月5日 読書
こないだ、私は、すごい発見をしたので、エネさんに息巻いて言ったのです。「エネさん、今年ってさあ、第一次世界大戦の開戦からね、ちょうど百年なんだよ!」そしたらエネさんは「知ってるよ、だから本がいっぱい出てるんでしょ」と答えたのでした。私はそれでやっと、岩波からなぜ分厚い第一次世界大戦についての研究本がでていたのか、合点がいったのでした。私ってアホなんだー。
そんな会話の手前に、第一次大戦がタイムリーというのとは関係なく、藤原辰史の「カブラの冬」を読んだ。第一次世界大戦中ドイツは、著しい食料不足に見舞われ、76万人もの餓死者を出した。政府中枢の戦況と食料事情の見通しの甘さ(短期決戦だとおもっていた)、ジャガイモの不作、イギリスによる海上封鎖などが重なってそんな大変なことになったらしい。敗戦後、帝政は崩壊したものの資本主義体制は温存され、食べ物の恨み/飢餓への恐怖は解消されず煮詰まってナチス繁栄の下支えになる。イギリスの海上封鎖を、ユダヤ人を究極的に効率のいい=食べ物/燃料の要らない労働者として扱ったともいえるホロコーストにつながる「食糧テロリズム」である、と捉えているのが興味深い示唆だった。そして第一次世界大戦というものの、〈総力戦〉という性質や、ヨーロッパにおける衝撃というのが、なんとなく話に聴いていただけなのが、なんかすっごく大ごとだったのね、というのだけは、わかった。
「死ねばいい」という、暴力なのかもしらん。
第一次世界大戦といえばー、文学ではー、何なのかなー、とぼんやり考えていて、「チャタレイ夫人の恋人」に行き当たる。昔読んだときに、コニー(=チャタレイ夫人)でもなく、森番でもなく、クリフォードは(=ミスターチャタレイ)のほうが、不気味過ぎて気になった。教養もあって文学もたしなむ俗物なのですが、クリフォードはほんとうにリアルな存在に感じられて、コニーや森番よりも、私にはブンガク的であった。そのクリフォードは冒頭第一次大戦で負傷して障害を負ったと示されるのであった(ややうろおぼえ)。そこから読んでみてもいいのかも知れないニャー、いまいっぱい借りてきた本を読み終えたら。(ちなみにウィキペディアのこの作品の項目はわりと間違っている)。ウルフのダロウェイ夫人も、そうなのだろうか。
と、まじめに考えていたけど、昔私が熱心にこの本を薦めた際に、コニーと森番のいちゃつき場面を読み上げて、「あっはっは、お前のけつはよう、だって! あっはっは」と笑っていたタネコさんばかりがおもい浮かんでしまう。
そんな会話の手前に、第一次大戦がタイムリーというのとは関係なく、藤原辰史の「カブラの冬」を読んだ。第一次世界大戦中ドイツは、著しい食料不足に見舞われ、76万人もの餓死者を出した。政府中枢の戦況と食料事情の見通しの甘さ(短期決戦だとおもっていた)、ジャガイモの不作、イギリスによる海上封鎖などが重なってそんな大変なことになったらしい。敗戦後、帝政は崩壊したものの資本主義体制は温存され、食べ物の恨み/飢餓への恐怖は解消されず煮詰まってナチス繁栄の下支えになる。イギリスの海上封鎖を、ユダヤ人を究極的に効率のいい=食べ物/燃料の要らない労働者として扱ったともいえるホロコーストにつながる「食糧テロリズム」である、と捉えているのが興味深い示唆だった。そして第一次世界大戦というものの、〈総力戦〉という性質や、ヨーロッパにおける衝撃というのが、なんとなく話に聴いていただけなのが、なんかすっごく大ごとだったのね、というのだけは、わかった。
「死ねばいい」という、暴力なのかもしらん。
第一次世界大戦といえばー、文学ではー、何なのかなー、とぼんやり考えていて、「チャタレイ夫人の恋人」に行き当たる。昔読んだときに、コニー(=チャタレイ夫人)でもなく、森番でもなく、クリフォードは(=ミスターチャタレイ)のほうが、不気味過ぎて気になった。教養もあって文学もたしなむ俗物なのですが、クリフォードはほんとうにリアルな存在に感じられて、コニーや森番よりも、私にはブンガク的であった。そのクリフォードは冒頭第一次大戦で負傷して障害を負ったと示されるのであった(ややうろおぼえ)。そこから読んでみてもいいのかも知れないニャー、いまいっぱい借りてきた本を読み終えたら。(ちなみにウィキペディアのこの作品の項目はわりと間違っている)。ウルフのダロウェイ夫人も、そうなのだろうか。
と、まじめに考えていたけど、昔私が熱心にこの本を薦めた際に、コニーと森番のいちゃつき場面を読み上げて、「あっはっは、お前のけつはよう、だって! あっはっは」と笑っていたタネコさんばかりがおもい浮かんでしまう。
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