8月14日の日記

2013年8月13日
帰郷してきた。

帰郷先からかえってくると、帰郷したときたいがい無気力であったのに気づく。フィルムのカメラを持って帰ったけれどあまり撮らないままだった。特に撮ることが、ないような気がしたので。提灯に囲まれた神棚と仏壇を撮っておくべきだったかも知れない、帰郷の理由は第一に亡くなった祖父の初盆であったからだ。祖父の不在にとくにだれも堪えることもないようだった。暑さだけが堪えた。甥や姪の世話をする振りをして、お経もろくにきかなかったのが、死者に対する神妙さに欠けていた。
祖父について思いめぐらすそのやり方も、とくに変わらなかった。愛想笑いをする必要がなくなったのはよかったかも知れない。祖父の残したことどもについて、いっしょに帰郷した妹と話しながら、いっしょに呆然とした。母から、かびた鰹節のような、恨み節を聞かされた。祖父の残したことといえば借金であり、金にまつわる恨みつらみであり、抗がん剤のために禿げはじめた父であり、なんとなく小ぎれいでない、虫のいる家である。

祖母が食欲がないときによく食べる、という豆乳入りこんにゃくなる食品をすすめられて食べたら、まずかった。まずいものを食べてなんともおもわないひとはそれだけで信用しがたいのに、「お米も野菜も大事にたべなさいよ」と食物の扱いに対しておおざっぱな母に当てつけるように、母が不在のときに言われて、信心深いひとというのは悪気がないので度し難い。

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