雨は水の郷里から、爪あとをのこしてひいたらしい。きっといたるところ雑巾のにおいがするんじゃないなかろうか。兄は仕事柄、町のごみ処理に携わらなければならず、私のメールに「へとへとです」と返してくる。

「良和はこんな状態にもかかわらず、例の病気が出ているようです」「良和は相変わらずですけど…(困った顔の絵文字)」と、間に1日はさんだ兄のメール2通それぞれの終わりに報告があり、平静を得た父はせっせと飲酒に励んでいると知れた。(人前でない限り、兄は父を「お父さん」と呼び習わさない)。若いときなら、「流されればよかったのにね」と応じるのであろうが、「良和は、言うことなしですね…」と返した。母に電話したら、「じいちゃんと喧嘩したって、ほんなこつ腹の立つ」と低い声で言い、でも私がそんな話にうんざりしているとおもっているのか、これから隣の部落へ、土砂でやられた家の後片付けに行くからと電話を切る。やることがあるために張りのある、わるくない声だった。

すべて世は事もなし。



わたくしの故郷の貧しさ、そして豊かさとは、なんなのであろうかー。

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