おまじないと伝統

2012年2月21日

 まともにお料理をしていないので、何かをつくろうとすると鼻息荒くなって失敗したりする。やだやだ。
 自分でつくったもの、つくったとまではいかないまでも、なにかしら手をかけたものを1日1回は食べないと、意外にストレスフルになるのだな、とこの1年で学んだわ。

 近頃は、朝、トーストにごく少量の酢を塗ったハムをのせ、(酢で塗らした指でハムをなでるように塗る)、黒胡椒をひいて食べる。ハムをのせる前にパンにクリームチーズをぬったりする。お酢をハムに塗るというのは長尾智子の本から覚えたもので、塗るとどうおいしくなるのか、塗らないものと比較したことがないのでわからない。おいしくする小技というより、おいしくなるお呪いのような気がしている。
 米酢を切らしたので飲料用に買っている黒酢を塗っていたが、黒酢がなくなったので、何か買いに行かねばならない。バルサミコ酢だとやりすぎな感じがする。



 抹茶のパウンドケーキを焼いた。バター系のお菓子からは遠ざかっていたけれど、つくりたくなったので。バターをホイップする、オーソドックスなやり方。
 私が中学生のころはじめてつくったパウンドケーキは、よくあるような市販のものより身がしまった感じになってしまい、それをおいしいとおもったので、それがパウンドケーキというものをはじめて認識した代物になった。
 昔の知り合いが営んでいるというパウンドケーキ専門店のものをいただいたことがあるけれど、フワンとしてるうえにほろっとしていて、手でつまむのがためらわれるようなもので、いまいち信用ならない、とおもってしまった。
 その後何度か食べたものもフワンとしてるものが多くて、それはそれでおいしくいただいた。私の認識が間違っているらしい。

 母や祖母がお菓子をつくることはまずなかったので、私には何の伝統もないのだった。私が伝統をつくるんだ、というのは、何の意気込みでもなく、ただの認識。

 つくったパウンドケーキは、すごく身がしまっていて、皿にはのせたけれど、フォークは使わず、ためらわず手づかみで食べた。とても人にはあげられない代物だった。

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