厄払いのつもりで髪を切りに行った。胸が隠れるくらいまであった髪を、麗子像(岸田劉生)と同じくらいの長さにした。

美容師さん(初めての人)に、こんなに短くしたのって久しぶりなのでは?と訊かれて、でも1年くらい前は短かったですよ、と答えた。答えた後、1年ってもう久しぶりでよいのか、とか、ほんとうに1年だったっけ、とかいろいろ考えた。そんなことまで話すと、美容師さんを私の記憶の迷路に引きずり込むという余計なことをしそうなので、黙っておいた。
すっごいイメチェンですね、と言われたが、この麗子像みたいな髪型は昔やったことがある、鏡の中にみえる人に合うのははじめてではない、と心中で思った。はじめてではないけど、髪を切られたばかりなのでびっくりしている。おまけにやたら風通しがよくなって、首がすうすうする。
髪が長かったとき、私はやはり長い髪の顔つきであったのだろうか。だからびっくりしているのだろうか。そしてこれからは短い髪の顔つきになるのだろうか。

なんで髪を切って私厄払いを決め込んでいるのか、私は悪くない、と思ってしまった。今はもうない後ろ髪を引かれた。私は悪くないのは確かで、髪を切るとすっきりした、でも気持ち悪いのはしばらく続いて、ほとんど忘れて、時たま思い出して、自分がそこで決定的につくられたような気さえしてくるのであろう。これに類することは初めてではないのに、そのたびに受けるダメージは何なのだろうか。石になりたい、とこれは、高校生の発想だな。

私は自分の長かった髪を悼みましたが、残念ながら、短い髪は評判よかった。髪の長い人が短くすると、それだけで手放しに賞賛したくなりますね、それはわかります。

コメント

颯子
2012年2月11日21:25

麗子、みたーい!
わたしも貞子髪を来週切るつもり。

nozak
2012年2月12日1:43

麗子だとかヅラだとか言われつつなんとなく評判よいです、ひひひ。

髪切った者同士で、今度記念撮影しましょう。

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